見た目より、使ったときに差が出るところ。

テーブルの考え方

ダイニングテーブルの「脚間」が狭いと、結局どこで困るのか

ダイニングテーブルを選ぶとき、サイズや天板の素材は気にしても、「脚間」まで意識している人は意外と少ないものです。けれど、実際に使いにくさが出やすいのは、この脚間であることが少なくありません。

脚間とは?

脚間(きゃくかん)とは、テーブルの脚と脚のあいだの内寸のことです。もっと簡単に言うと、椅子が納まるための「余白の幅」です。同じ大きさのテーブルでも、脚が外側に付いているか、内側に入っているかで、この脚間は大きく変わります。

脚間が狭いと起こりやすいこと

脚間が狭いと、まず起きやすいのが、椅子がきれいに収まらないということです。座ろうとすると脚に当たったり、少しずらして座るクセがついたりします。見た目では分かりにくくても、毎日の動作の中では、じわじわとストレスになっていきます。

特に、回転チェアや肘付きチェアを使う場合は要注意です。脚間が足りないと動きが制限されやすく、座るたびに椅子を大きく引かないといけなかったり、逆に浅く腰掛けるようになったりします。

ベンチを使うときも同じです。脚間が狭いと、「詰めて座れるはずなのに、実際は思ったほど詰められない」という状況が起きがちです。テーブルの幅や長さが同じでも、脚の位置が少し違うだけで、座り方や使い勝手は大きく変わってしまいます。

脚間の目安の考え方

細かい数字を覚える必要はありませんが、ざっくりとした考え方を知っておくと、テーブルと椅子のバランスが取りやすくなります。

座る人数のイメージ 使う椅子の幅の目安 欲しい脚間の目安
椅子2脚を並べて座る 1脚あたり約45〜50cm 約110cm前後
ベンチで大人2〜3人 1人あたり約45cm 約130〜150cm前後
肘付き・回転チェアを2脚並べる 1脚あたり約50〜55cm できれば120cm以上
※椅子のデザインや肘の有無によって必要寸法は前後します。

あくまで目安ですが、「椅子1脚=50cmくらい」と考えて、人数分を掛け算し、両端と椅子と椅子のあいだに少し余裕(最低でも約6cm)づつを足してあげると、極端に窮屈な脚間は避けやすくなります。

同じ150cmのテーブルでも、脚が内側に入っているか、端に近い位置に付いているかで、座れる人数や座りやすさは大きく変わります。

見た目より、脚がどこに立っているか

見た目がすっきりしていても、その裏側で使い勝手が犠牲になっていることは珍しくありません。脚間は、広ければ広いほど良いという話ではありませんが、「誰が」「どの椅子で」「どう座るのか」を想像せずに決めてしまうと、後から小さな違和感が積み重なりやすい部分です。

ダイニングテーブルは、置いた瞬間よりも、毎日座って使っている時間のほうが圧倒的に長い家具です。サイズだけでなく、脚がどこに立っているか。そのまわりにどれくらい余白があるか。脚間の取り方ひとつで、使いやすさも、家族の集まり方も、静かに変わっていきます。

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