オイル塗装と樹脂塗装の違い。

木の手触りや香りを存分に楽しむには、塗装無しの素材そのままでできた家具が一番です。
しかし、家具は道具として使うものであり、実際には塗装がされていないと家具として使えないことが多いでしょう。
また、家具は使われる塗装によってだいぶイメージが変わってきます。
長く大切に使うには保護するための塗装が必要です。

家具塗装は、主にウレタン樹脂塗装やセラウッド樹脂塗装をはじめとする樹脂塗料で木にコーティングする塗装と自然植物オイルを木に染み込ませ保護する塗装の浸透性塗料に大きく分けられます。
木の上から保護する樹脂塗装と、木の中から保護するオイル塗装があるとお考えいただけると良いでしょう。

セラウッド樹脂コーティング塗装とは・・・
ウレタン樹脂をベースとし、超微粒子のファインセラミックスを複合することで強靭な塗膜を形成し、今までのウレタン塗装よりもはるかに耐候性・耐汚染性・耐熱性・耐久性に優れた塗装です。
特に定期的なメンテナンスは必要なく、汚れをふき取る程度で長期間きれいな状態でお使いいただけます。
汚れが気になる、またメンテナンスの手間を気にされる方は「セラウッド塗装」がおすすめです。

 

・樹脂コーティング塗装

樹脂塗装とは、ウレタン樹脂やセラミック樹脂が含まれた塗料を使う方法で、密着力が高く塗膜が表面に出来上がるため、摩耗キズなどから木材を保護でき、傷つきにくいメンテナンスが楽な仕上がりと言えるでしょう。
樹脂系塗料であるため、耐水性が高く木材の伸縮などにもある程度追従できる点もメリットです。
また、樹脂塗装は紫外線を反射させる為、色の変色を遅らせます。あまり、色変わりして欲しくない方にはオススメです。

ただし、木材の表面上を樹脂で包みこみ塗膜をはるため、天然木の持つ繊細な凹凸感などは表現しにくいですし、傷がいくと白く目立ちます。
そして部分的に補修して綺麗に直す事ができません。
また、せっかく選んだ木材に直に触れられない点に難色を示す方もいます。
樹脂塗装は永久コーティングではないので徐々に紫外線により劣化します。
およそ10年〜15年ほどで経年劣化によって再塗装が必要になります。
再塗装を希望する際は専門の工場に持ち込まなければならない、費用もお近くに家具専門塗装工場があれば良いのですが、なければ往復の運送代が含まれる為、高額なメンテナンス費用がかかり、またメンテナンス期間の間、テーブルが使用できないという点も問題で、初めからこの事を了承しておられる方は割り切って再塗装をされますが、後からそれを知った方は驚き、再塗装される方は少ない傾向にあります。
つまり再塗装をしないのであれば、一生モノと考える家具にはあまり適していないかもしれません。
メルカリやジモティーなどで無垢材家具が売られているほとんどがウレタンをはじめとする、樹脂塗装なのは、上記が原因の理由もあるのではないでしょうか。


・オイル塗装

オイル塗装はその名の通り木に専用のオイルを塗って仕上げる塗装方法です。
オイルが木に浸透しますので塗膜が薄く木の質感や手触りを損なわないナチュラルな塗装方法になります。
木の質感がしっとり、心地良い触り心地。
表面は濡れ色になり、時間が経つほどにいい風合いに変化していきます。
またお客様自身でメンテナンスが可能で傷やシミなどがついた場合でも削る事で補修することができます。

一方、オイル塗装は塗膜が柔らかく薄いため樹脂塗装に比べてシミになりやすいです。
また、木を保護するオイルは徐々に取れていってしまいます。
その為、(年に2度程)オイルを塗る必要があります。
樹脂塗装は表面がウレタンゴムで包み込まれているので水分を吸収しませんが、オイル塗装は木に染み込ませて保護しますので、余計な水分などの液体も吸収します。
ですのでコーヒーやワイン、食べ物によるシミがつく場合があります。
ですがその場合は、サンドペーパーで削り消し、オイル塗料を塗布して綺麗に補修することはできます。
手間はかかりますが、メンテナンスを繰り返す事で、味わい深い家具になっていくのです。

▷TikTok 汚れ落とし動画
▷オイルメンテナンスについてはこちらをご覧ください。


 

当店では、木そのものの無垢材テーブルなら断然オイル塗装をオススメしています。
素材をそのまま活かしたオイル塗装だから得られる木ならではの魅力を説明させていただきます。

目に優しい

木材には、光が当たると、波長の短い青や紫などの「紫外線」は弱まって反射し、赤や橙、黄色などの長い波長は弱まることなく反射する効果があります。
紫外線は私たちの目や肌、体に悪い影響を与えることがあります。木材は紫外線をよく吸収するため、木材から反射する光にはほとんど紫外線は含まれていません。
紫外線の反射が少なければ目に与える刺激も小さくなることから、木材は目にやさしい材料であるといえます。
これによって、自分たちの目に届く頃には、暖かみのあるテーブルがうつることになる訳です。
さらに、紫外線を弱くするということは、目に入る刺激が少なくなるということになります。
いつまで見ていても刺激が少ないということは、ストレスにならないということなので心地が良いと感じるわけなのです。

木の香りの効果

木材から発する香りには、気分を安らげる効果があり、人の生理面や心理面に良い影響を与えます。
また、樹木の香り成分は、揮発性の成分となりますが水とは違い長く木材の中でため込まれているため、メンテナンスされた時に木材の表面を少し削るだけでにおいが再び発生します。
ふんわりと漂う木の香りは、時に清々しく、また、時にゆったりと心地よく感じられるものです。
木の香りからストレスを軽減させるなどの心理的効果のほか、呼吸を楽にしてくれる効果、あるいは血圧を下げるといった自律神経に働きかけるアロマテラピー効果などもあります。

天然木のぬくもり(触り心地)

木材は熱を伝えにくい素材なので、手で触っても手のひらから熱エネルギーが逃げにくい素材です。
熱の伝えやすさを熱伝導率という用語で言い表しますが、熱伝導率が大きい場合は「冷たい」、熱伝導率が小さいと「温かい」ということになります。
多くの木が熱絶縁材料に近い性質をもっています。
つまり、熱伝導率が小さいため、木材は触ってもヒヤッとすることが少なく、しばらくするとほんのりとした温かさを感じます。
そのため、木材は暖かい、ぬくもりがあると感じるわけなのです。

経年美化で使い込むほどよいものになる

・経年変化
「経年」
とは年月が経過することを意味します。
木材は時を経ることで、色味が変化します。
畳の色が変化するように、自然素材の無垢材も時間の経過とともに色味が変化していきます。
そのような時間の経過とともに生じる変化を表す言葉が「経年変化」です。

この経年変化には使っていくうちに、大きく分けて次の2パターンに分かれます。

経年劣化
一般的に、モノは使い込めば使い込むほど、くたびれて、汚れます。
これを「経年劣化」と言います。
紫外線によりプラスチック樹脂が痛んだり、ゴムがボロボロになったりなど長い時間経過により起きる品質低下全般を指します。

経年美化
木の家具も同時に劣化していきます。
ですが無垢材で作った家具は使い込めば使い込むほど味わいが出て、それが魅力へと変わると言います。
使う過程でできた傷も、色の変化も傷や凹みができても、それがあじへと変わり、50年経てば『ビンテージ家具』100年経てば『アンティーク家具』という言葉があるほど、愛される家具へと進化します。
これを「経年美化」と言います。

家族によって使い続けられ、摩擦を繰り返し、メンテナンスを繰り返すことで、磨き上げられる美的効果が生まれます。
オイル塗装の家具は時間が経つほどに味わいが増し、家族のライフスタイルの中で年月を過ごすことで、その家・その家族にしかない表情が生まれていきます。
そういった変化に多くの家族が愛着を感じ、世代を超えて受け継がれ財産となっていくのです。
また、木材は伐採後も呼吸を繰り返し、収縮を重ねることで木の中に含まれる水分が硬化し、どんどん強度が増していくと言われています。
傷や汚れは傷みではなく家族の歴史の爪痕として表情の一部となっていくのです。
自然オイル塗装だからこそ味わえる「経年美化」という価値。家具も手をかけ適切に維持管理していくことで、美しく、そして愛着を持ってテーブルを使い続けられるのです。

まとめ

オイル塗装 セラウッド樹脂塗装
手触り オイルが木材にしみこみ、表面に塗膜を形成しないので木材本来の質感を感じ取るとこかできます。 木材の表面に強い塗膜が形成されるため、オイル塗装と比べるとややツルツルした手触りです。
木材本来のマットな質感となります。
木目の美しさや色味がはっきりと表現されます。
オイルと比べるとつやがありますが、木目や色味ははっきりとしています。
メンテナンス オイル塗装の無垢テーブルは、定期的にオイルを塗りこむ必要があります。数ヵ月~年1回のペースが目安です。
おこなうタイミングは乾燥する冬の前と、塗料が乾きにくい梅雨に入る前が、おすすめです。
市販のオイル・ワックスでお手入れすると木材の風合いが増し、経過とともに深い味わいが出て来ます。
定期的なメンテナンスは特にありませんが、手の皮脂や食べこぼしによる油汚れなどが気になるときは中性洗剤を使うと、さっぱり仕上がります。

  1. 食器用洗剤などの中性洗剤を約3%に薄めて布を浸します。
  2. しっかり絞ってから汚れを拭き取ります。
  3. 固く絞った布で水拭きし、乾拭きして仕上げます。
特徴 塗膜を形成しないのでキズや汚れはつきやすいですが、時間経過とともになじみ、その一つ一つも家具の個性となりさらに愛着の沸く家具となってくれます。 定期的なお手入れが必要ありません、オイル塗装よりも変色・汚れ・熱に耐性があります。
デメリット 「含浸性ですので、塗膜が薄く木の手触りがある。」
そのため、輪染みなども付きやすいのですが、蜜蝋ワックスを施すことにより、飛躍的に輪染み・汚れに強くしています。ご購入時:蜜蝋ワックス入りオイルプレゼントしています。
傷・凹みなどが出来た場合はご自身で補修することがむずかしく、補修ペンなどで傷を目立たなくすることは出来ますが、跡は残ります。
専門の工場に持ち込みしての修理になりますので、長い期間と高額な費用がかかります。樹脂塗装の耐久年数は10年間です。
成分 主に亜麻仁油です。
自然植物からできるオイルなので、ホルムアルデヒドをはじめとする厚生労働省が策定しているシックハウスの原因物質は一切配合していないため、お子様やアレルギーの方も安心してご利用いただけます。
シックハウスの原因となる成分を含んでいない「F★★★★」(Fフォースター)の塗料を使用しておりますので、安心してお使いいただけます。
毎日のお手入れ オイル塗装のお手入れの基本は乾拭きです。
テーブルを使ったあとは柔らかい布で小まめに拭き、汚れが付いたままにならないよう意識しましょう。
水拭きしたいときは固く絞ってからおこない、水分が残らないように最後に乾拭きしてください。
濡れた布巾やコップなどを、長時間置いたままにすると、シミの原因につながります。
コースターやランチョンマットを使って対策をおこなうと良いでしょう。
ウレタン塗装のお手入れの基本は、固く絞った布での水拭きやお湯拭きです。
水拭きした後、最後に乾拭きをすると塗膜の劣化予防に繋がりますのでテーブルを美しく保ちますので推奨します。

天然木の家具は、化学雑巾といった化学的な掃除用品と相性が良くありません。
また、すぐに気化する揮発性の溶剤などは、変色や傷の原因となるので使用を控えましょう。
オイル塗装、セラウッド樹脂塗装ともに、アルコール除菌のスプレーにつきましては、成分によっては塗膜を変質させる場合がございますので、ご使用はお控えください。

いかがでしたでしょうか。
MUKKUは皆様に心地よく使っていただける木の手触り温もりのある使い心地と、長く使っていただけ愛着が湧く「経年美化」をオススメしております。

ご説明させていただいた理由がありますのでオイル塗装をおすすめしていますが、
それぞれの塗装は一長一短で用途ごとに適性があり、これを選べば正解、これが確実といった安易な答えを我々もお伝えしにくいものです。
後悔のないようしっかりと特徴を理解して選んでいただけたらそれが一番良い選択だと思っています。

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